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グルメ探偵ネロウルフ(第6回)

第6回は最終回で、「我が屍を乗り越えよ」
ウルフの娘が出現する話で、話題的にも、絵的にも作りやすいので選ばれたエピソードと思う。これも原作を読んだのは随分前なので、ほとんど忘れているけど、1940年の作品で、国際情勢や思想的なものへのスタウトの関心が影響している分、中途半端にスパイ物めいた重苦しさがあって、小説の面白さとしては今一つだった覚えがある。映像化も、その辺のごちゃごちゃした所をやや引きずっているものの、原作に較べて圧縮されている分、本筋から外れた部分が削れているから、単純なミステリ・ドラマとして楽しみやすくはなっていた。
原作は翻訳で読んでいるので、その影響もありそうだから、一概には言えないけれど、エンディングのウルフのうろたえぶりは、ドラマでは極端に誇張されていて、そういうドタバタ的な楽しさもドラマの方が上かな。プロットはやや追いにくいけど、それは原作も一緒だと思われる。元々、そこまで丁寧に考えて書かれてないはずだから。

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感想「南京事件」

「南京事件」 秦郁彦 中公新書
古本屋で見かけて、この事件についてまとまった資料に触れたことがなかったので、読んでみることにした。結局、南京大虐殺の存在に対する肯定派と否定派の争いは、資料の解釈の違いになるわけで、1冊本を読んだところで、所詮、その本の解釈を読んだに過ぎないから、どちらが正しいと判断が出来るわけはない。本書は双方の主張に目くばりしつつ事件を再構成しており、信頼に値するように思えるけれど、俺は戦前の日本の大陸進出自体、侵略と考えている人間だから、あらかじめ見方にバイアスがかかっていることは否定しない。その考え方からすれば、仮に双方に同等な責任があったとしても、攻め込んでいるのが日本である以上、より責任を問われるべきは日本ということになる。
ともあれ、本書は結論として、具体的な数値はともかく、南京で日本軍が相当な規模の極めて非人道的な行為に及んだのは間違いないとしている。その結論以上に示唆的と思ったのは、それが起きた背景に、周囲の状況を全て都合よく解釈し、充分な準備を怠ったまま勢いに任せて無謀な作戦に乗り出した、理性を欠いた陸軍の姿勢があったという指摘。色々な点で、今、小泉や石原やその取り巻きがやろうとしている、自衛隊の海外派兵も含めた強権的な「改革」の進め方を連想した。陸軍の暴走に対して、昭和初期の庶民は南京陥落を祝ったくらいだから、無力だったどころか、一体になって浮かれていた。その辺も、小泉ブームが起きた今の日本と似通っているような。時代背景が違うし、情報統制もあったから、戦前の人々の行動を、今の視点でむやみに責めることは出来ないとは思うけど、今の日本人が同じことをやったら、言い訳の余地はない。どこかで歯止めがかからなくちゃいけないはずだが、かかることはないんじゃないかという虚無感を感じる昨今。

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青い虚空

青い虚空 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫

コンピューターのネットワークを題材にしたサスペンス。ディ
ーヴァーはもう何冊目かなので、パターンは読めている気がし
ていたけれど、ディーヴァーの常套手段の一つの「なりすま
し」が、この本自体のテーマのようで、手の内が分った気にな
っている読者をはぐらかしているような気配がある。その辺に
巧みさを感じるし、さすがに過去に読んだ本のように、やられ
た、と思うことはなかったけれど、それでも充分感心に値する
結末も用意されていた。この作家の手腕を、改めて見せつけら
れた思いがする。
コンピューターの技術的な部分に関しては、こっちも素人同然
なので、妥当性の判断は出来ないけれど、いくらなんでも、そ
れは無理では、という部分もなくはなかった。でも、ネットワ
ークへの不正アクセスについて、この本に描かれていることが
半分程度でも現実だとしたら(実際、いろいろな情報を見てい
ると、それくらいは現実のような気がするが)、ネットワーク
上に秘密情報を置いておくなんて、到底出来ないね。住基ネッ
トなんて、とんでもない話だと思う。

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ゴジラ(1954)

昨晩の日本映画専門チャンネルでの放映を、つい見てしまった。
当然、初見ではないが、かなり久しぶりに改めて見て、印象にあっ
たよりもはるかにしっかりとした映画と感じた。演出技術も特撮技
術も古めかしく、メッセージ性もとってつけたようで、時代を考え
れば無理はないにしても、そんなに高く持ち上げるのはどうか、み
たいな感想を持っていたのだけど、そういう部分は確かにあるにし
ても、基本的な所ではストーリーの進め方に無駄がなく、脚本も画
面も引き締まっている。ゴジラが東京を本格的にぶっ壊し始める場
面あたりからだれ始める感じで、今まで見た時は、やはりそちらの
方に気持ちが向いていたから、上述のような印象になったのかも知
れない。少なくとも、ゴジラが暴れるシーン以外は、見ごたえのあ
るドラマになっていると思う。
直前に2001年の「大怪獣総攻撃」をやっていて、少し見ていた。
ガメラ3部作でうならせた金子修介の監督作品で、最近のゴジラ映
画の中ではまともな方だと思っているけど、1954年版ゴジラと較
べると、あまりにも風格がない。俳優の質、進化し過ぎた映像技術
など、制作環境の差があり過ぎるので、単純に比較するのは気の毒
なのだけど。映画そのもののステータスの凋落が、根本にあるから、
多分、今の時代に1954年版のような志を感じる映画を作ろうとし
ても、無理だろうなという気がする。

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Lリーグ決勝リーグ第10節YKK対田崎

2003.12.21(日) 13時15分 埼玉スタジアム2002 晴
観客 500人

  YKK東北フラッパーズ 1(0-3)4 田崎ペルーレ
              (1-1)

 得点 3分 田崎・大谷
    31分 田崎・大谷
    37分 田崎・山本
    59分 田崎・白鳥
    81分 YKK・高橋

 YKK 内田(GK)、大部、宇野、増田、棚橋、
    梅原(65分高橋)、北郷、槙(78分本間)、
    鹿毛、佐藤、染矢
 田崎 大西(GK)、白鳥、磯崎、佐野、山本、川上、
    柳田、土橋(87分早坂)、新甫、
    大谷(33分渡辺)、鈴木(80分甲斐)

田崎は優勝決定後の試合となったが、手抜きなしで圧勝。

圧倒的なチーム力の差を見せつけるような田崎の戦いぶりだったと
思う。特に川上・新甫の両ボランチの安定感が抜群で、周囲の選手
がこの2人を基準にして動くことで、攻守ともスムーズに流れてい
た。攻撃で特に目立ったのは右ウィングの土橋。前半の田崎の3点
は、全部右サイドから崩したものだったけど、どれも土橋が絡んで
いた。

後半は、田崎がCKから4点目を追加した後、YKKの踏ん張りが目立
った感じ。田崎の決定機をいくつかしのいで、前線に高橋を投入す
ると、この高橋が田崎のバックライン裏へ何度も抜け出して揺さぶ
り、終盤、ついに一矢報いるゴールを決めた。終盤も試合の主導権
自体は田崎のものだったし、YKKが勝てる可能性はほとんどなかっ
た試合だったと思うけれど、大差で負けていても、試合を投げなか
ったという点で、YKKもよくやったと思う。

《布陣》 (参考程度)
     YKK           ペルーレ
     内田              大西
  大部  宇野  増田     白鳥  磯崎  佐野
 棚橋 北野  鹿毛  槇   土橋 川上  新甫  柳田
      佐藤             山本
    染矢  梅原         鈴木  大谷

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Lリーグ決勝リーグ第10節日テレ対さいたま

2003.12.21(日) 11時 埼玉スタジアム2002 晴
観客 300人 主審 井脇真理子 副審 朝倉みな子 米村真由美

  日テレ・ベレーザ 2(2-1)3 さいたまレイナス
            (0-2)

 得点 1分 さいたま・片桐
    5分 日テレ・大野(PK)
    25分 日テレ・豊田
    68分 さいたま・岩倉
    81分 さいたま・高橋(FK直接)

 日テレ  小野寺(GK)、戸崎(62分井関)、須藤、四方、
    豊田、酒井、伊藤、小林(45分近賀)、大野、
    荒川(83分泉)、山口
 さいたま 山郷(GK)、田代、笠嶋、西口、赤星、高橋、
    木原(79分伊藤)、安藤、片桐(88分山本)、
    岩倉、岸

ベレーザの敗戦により、田崎ペルーレの優勝が決定。
レイナスがベレーザに公式戦で勝ったのは、これが初めて。

11月に、レイナスがホームのこのカードも見ているけれど、その
時は、ベレーザが完全に優位に立っていたものの、レイナス最後の
砦の山郷を崩せず、1対1も止められ続け、87分にようやく山口が
山郷を突破して1点ねじ込んで勝った。

この試合は、開始早々にCKからレイナスが先制するという波乱の
立ち上がり。それほど見ているわけでもないから、偉そうなことは
言えないけど、あんな見事なセットプレーからの得点をレイナスが
決めるのは初めて見た。これは凄いと思ったが、直後に、レイナス
がよくわからないペナルティエリアでのハンドを取られ、ベレーザ
がPKを決めて振り出し。25分にベレーザがレイナスの先制点に良
く似た形で、CKから決めて突き放し、やっぱり力の差か、という感
じだった。

山郷も流れの中ではよく守ったが、PKやセットプレーはさすがに個
人の力でしのげるもんではない。それでもその後も粘り強く1対1を
止めるなど、奮闘を続けていると、後半半ば、またもやCKからレイ
ナスが得点して追い付き、80分頃、ゴール正面で得た直接FKを、
高橋が壁を越えて曲がる素晴らしいボールで決めて逆転。あんな凄
いゴールをレイナスで見たのも初めてだと思う。

優位にあったのは終始ベレーザだったけれど、山郷の存在感が失点
を最少に抑えたという所は、11月の試合と同じ展開だった。
そこでレイナスが、少ない決定機を驚異的な決定力で、得点に結び
付けたというのが勝因か。いずれもセットプレーなので、チームの
総合的な攻撃力というよりは、高橋の個人技に負う面は大きいのだ
けど、彼女が力を発揮できる状況を作り出せていたということ自体
は、チーム力と言って差し支えないだろうな。昔は大人と子供くら
いの差があったベレーザに勝てる所まで来たというのは、ちょっと
した感慨。ベレーザの方のチーム力が落ちているという事情も、確
かにあるから、手放しでは喜べないけれど。

《布陣》(参考程度)
     ベレーザ         レイナス
      小野寺          山郷
 戸崎 豊田 四方 須藤   田代 西口 笠嶋 赤星
      酒井       片桐  高橋   岩倉
   伊藤    小林       木原 安藤
      大野            岸
   山口    荒川

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感想「ライ麦畑でつかまえて」

ライ麦畑でつかまえて J・D・サリンジャー 白水Uブックス

最近話題になった村上春樹の新訳ではなく、その前から出ていた野崎孝訳版。古典だし読んでおくべきかと思って入手して、古典だしあわてて読むこともないかと思ってほったらかしにしてるうち、10数年経ってしまっていた。
部分的に共感する箇所もないではないけど、全体的には甘やかされたガキの調子のいい独白という印象。ただ、ティーンエイジャーの頃に読んでいたら、もう少し肯定的か、逆に近親憎悪的な拒絶反応か、いずれにしろもっとポジティヴな感想を持った可能性はあるような気がする。本には読むべき時期があるということかな。
それにしても、「だから何なんだ」的な記述があまりにも多く、いかにも純文学だなと思った。あと、気取った若僧の一人称にしては、訳文そのものが今の時代に読むには古めかし過ぎる気がする。原文も当然古びてはいるんだろうけど、この翻訳は原文の時代性を生かすために訳者の演出が入っている分、普通よりも古び方が加速されてる気がする。そういう意味では、村上訳なら、いくらか印象は違ったのかも知れない。

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天皇杯3回戦柏対大宮

2003.12.14(日) 13時 日立柏サッカー場 晴
観客 3253人 主審 鈴木亮哉 副審 河合英治 八木あかね

  柏レイソル 1(0-0)0 大宮アルディージャ
         (1-0)

 得点 46分 柏・明神

 柏  清水(GK)、渡辺光、渡辺毅、根引(89分落合)、
    田ノ上、下平、明神、加藤、増田(78分永井)、
    玉田、菅沼(71分ジュシエ)
 大宮 安藤智(GK)、奥野、斉藤、トニーニョ、岡本、
    木谷、氏家、エジソン、伊藤(81分黒崎)、
    盛田、バレー
   
 警告 柏  根引、増田
    大宮 バレー(1回目)、トニーニョ(1回目)
 
 退場 33分 大宮・エジソン(警告2回)

布陣はこんな感じ。

     《柏》            《大宮》
      清水             安藤智
 渡辺光 渡辺毅 根引 田ノ上  斉藤 トニ 奥野 岡本
 増田  明神 下平  加藤   エジ 氏家 木谷 盛田
     玉田  菅沼         伊藤 バレ

木谷と氏家の2ボランチで、エジソンを右サイドに置いた布陣。格上相手を意識した、やや守備的な形か、と思ったけど、2回戦の最後の方でこの形を使って、あまりうまく行ってるように見えなかったんで、どうだろと思ってたら、やっぱり。エジソンは、真ん中に置いて自由にやらせとくのが、彼の攻撃のアイディアが生かせる、うまい使い方だったと思う。サイドに置かれると、役割を限定されて、思うようなプレーが出来なくて、苛々しちまってる感じで、それで自滅してラフプレー2発で前半半ばに退場。攻撃のアイディアの多彩さで、終盤戦は結構楽しませてもらったから、割と好きな選手だったんだけど、こうも使い方が限定されて、しかもカードコレクターと来ては、今季で契約終了もやむを得ないだろうな。

ただ、柏の速攻と当たりのきびしさに手を焼き、中盤で押し込まれて苦戦して、元々、トップを満足に使えていなかった状況下で、この退場がどの程度意味があったかは何とも言えない。大差なかったようでもあるし、徐々に柏のスピードに慣れて、セットプレーから何度かチャンスを作った矢先だっただけに、痛かったようでもある。

もっとも柏も、中盤までは支配的に試合を進め、ゴール前へいいボールを入れて来る所までは行くものの、2トップの反応が鈍く、得点の気配はあんまりなかった。大宮のディフェンスが粘り強く守っていた、ということもあったとは思う。ただ、後半開始直後のほんの一瞬、明神が中盤でボールを持った時に、キックオフ直後で試合にまだ乗り切れていなかったのか、マークが外れ、ミドルをスコンと打たれて、先制されてしまった。

その後は、一方的に押し込まれる展開だったのだけど、前半同様、柏のスカな前線と大宮の粘るディフェンスの戦いで、それ以上の失点を許さずにいると、ラスト10分、柏が逃げ切りを考え、バックラインでたらたらボールを廻し始めてスキが見えた所で、ついに大宮が試合の主導権を握った。立続けのCKなど、猛攻を見せたのだけれども、得点を決めることは出来ず、結局敗退。

失点はたった1点だし、柏がスキを見せれば食い付ける程度の力の差だということは、最後の10分の攻勢から見えたことだから、決して勝機のなかった試合ではなかったとは思う。ただ、柏が自分のペースで試合を運んでいた序盤から中盤にかけての、柏の試合の支配率は圧倒的で、やはり格上相手の試合だったことに間違いはなかった。大宮のチーム力の限界が見えた気がした。

後半の攻撃の中核となっていたのは盛田。攻撃のキーになる選手が、バレーと盛田くらいしか残留しないことを考えると、来季は盛田の役割はけっこう大きくなる可能性がある。今季終盤に見せた好調ぶりを、来季に持続してくれるといいと思う。安藤は、相変わらず酷いゴールキックを蹴りまくっていた。反応の良さはあものの、あのキックはプロチームの正GKのレベルにはないと思うんだけど。まあ、正GKは川島なのかも知れないけれど、第2GKは本当に彼でいいんだろうか。荒谷の方が、まだマシなんじゃないかという疑念を捨て切れない。

来季は大幅にチーム体制は変る可能性があるし、そうなれば、このチームがJ2に加入して以来、初めてのことになる。この5年間ですっかり閉塞してしまったチームを蘇生させるような、斬新なチーム作りを期待したいと思ってます。まあ、監督は三浦俊也の復帰みたいだけど、ピムの体制を引きずっていた前回とは、状況も違うから、何かやってくれる可能性はあるんじゃないだろうか。

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グルメ探偵ネロ・ウルフ第5回

WOWOWで放映されているネロ・ウルフもののTVシリーズ。
ところで、本当に第5回か? 原作を、一応数え直してみると、

第1回 ネロ・ウルフ対FBI(「殺人犯はわが子なり」になってたのを修正。8/3)
第2回 Prisoner's Base(未訳)
第3回 Champagne For One(未訳)
第4回 死の扉/クリスマス・パーティ
第5回 殺人鬼はどの子?/ねじれたスカーフ

合ってる、かな?

で、今回は「殺人鬼はどの子?」と「ねじれたスカーフ」の中篇2本立。どっちも読んでいるが、だいぶ以前のことなので、すっかり忘れていたから、読んでないのと一緒だった。この2本立のポイントは、どっちもウルフの事務所で殺人が起きるということ。TVシリーズ化にあたっては、当然、絵になる作品が原作に選ばれていて、そういう意味で、否が応でもウルフが出ずっぱりで活躍せざるを得ないこれらの作品は好適。ウルフがドタバタするところが、コメディとして面白く描かれていて楽しめた。プロットについては、ここまでの4回がそうだったから、今回も原作に忠実なものだろうと思うので、どうこう言ってもしょうがない。それにしても、原作の持ち味を生かした、いい映像化シリーズだと思う。

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感想「マンチェスター・フラッシュバック」

マンチェスター・フラッシュバック ニコラス・ブリンコウ 文春文庫

それなりに安定した生活を送っていた男に、ある事件を契機にして過去がフラッシュバックして来るという話。
そうして語られるのは1981年の荒廃したマンチェスターでの、ホモのチンピラ仲間との音楽とドラッグと犯罪にまみれた暮らし。それが刺激的なものというよりは痛ましいものとして描かれている辺りが、「トレインスポッティング」(映画版。本は読んでいないので)と似ているようで微妙に違う感触。
このまま、破滅的な犯罪小説へ突き進むのか、と思って読んでいたら、案外、穏やかに収束したのは意外だった。もっと八方破れな作品と思っていたから、肩透かしにあったような気分。こういう小説であってみると、構成の粗さもやや気になる。ただ、破滅的な生活の中で、失わなかった人間性が、事件に巻き込まれるきっかけになるという痛ましさが印象的で、読後感は悪くなかった。
80年代初頭のイギリスの音楽シーンに興味があれば、もっと楽しめたかも知れない。イギー・ポップやデイヴィッド・ボウイは守備範囲の外なので。それはちょっと惜しい。

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天皇杯2回戦大宮対栃木SC

2003.12.7(日) 13時 大宮サッカー場 晴のち曇
観客 1956人 主審 石沢知 副審 安食 野口

  大宮アルディージャ 4(2-0)0 栃木SC
             (2-0)

 得点 18分 大宮・バレー
    27分 大宮・バレー
    49分 大宮・バレー
    86分 大宮・エジソン

 大宮 1.安藤智(GK)、2.奥野、15.斉藤、4.トニーニョ、
    5.岡本、23.金澤(40分17.島田)、7.氏家(81分
    13.木谷)、9.エジソン、32.大沢(71分10.黒崎)、
    12.盛田、11.バレー
 栃木 31.星(GK)、16.遠藤、15.横山、27.高野、8.堀田、
    5.種倉、7.伊奈川(77分6.河口)、10.只木、9.佐野
    (82分2.松本)、11板橋、14.石川(65分17.黒須)

 警告 大宮 エジソン(1回目)
    栃木 遠藤、伊奈川、只木

J2の大宮がJFLの栃木SCに対して、格の違いを見せつけた試合だったという感じ。まあ、本当に格の違いを見せていたのは、バレーとエジソンだったという気はしないでもない。バックラインとか、結構ミスも多かったし。ただ、栃木SCは大宮以上にミスが多く、明らかに格下と判る試合ぶりだったし、格上チームを攻略するプランも持っていなかったという印象。真っ向からぶつかって来て、玉砕した、という感じかな。

バレーは絶好調で、エジソンとのワンツーからの1点目、中盤からのドリブル突破からの2点目は、GKを見切って浮かせた球を、綺麗にゴールへ送り込んだものだし、3点目は圧巻で、サイドの角度のない所から、さらに立ちはだかっているDF・GKも抜いて行く、見事にコントロールされたシュート。
エジソンも、ゴールはごっつあんだったけど(黒崎がゴールを横取りされてムカついてた気配が…(^^;。自分の反応が悪かっただけなんだけど)、ボールコントロールの巧さでよくチャンスも作っていた。惜しむらくは、ファール判定後にボールを蹴ってしまって受けた不用意な警告。でもなあ、あんなのに警告を出して何の意味がある?、と思うがな。

半ば頃、ミスが重なり、少しもたついて攻め込まれた時間帯もあったが、大きく状況を変えるものではなく、ほぼ終始主導権を握った完勝だった。

戦力外選手をメンバーに入れなかったことで出番が廻って来た大沢は、当たり負けが目立った感じ。体格が小柄なのはともかく、もう少し身体を作る必要があるんじゃないかな。栃木の当たりはきつかったけど、物ともせず、一撃二殺(^^;をくらわしていた氏家あたりを師と仰いで。

久々出場の岡本が、気迫あふれるプレーを見せていた。あんなにオーバーラップしまくる隆吾を見たのは、何年ぶり?、みたいな感じ。大宮でのプレーが今年が最後なのだとすると、最後のホームゲームだったわけで、あの気迫も納得が行く。チームのオフィシャルサイトを見る限り、この試合が最後だったわけではなく、次の柏戦も出るつもりらしいから、まだ隆吾のプレーは見られそう。というか、原崎を外し、村田が本当に居ないとすれば、左SBは隆吾しか居ないんでは。

その辺も含め、正直、今のメンツでは戦力がやや薄いかという感は免れないけれど、柏も決して好調なチームというわけでなし。いっちょ食ってやる、くらいの期待は持って、3回戦に臨めるんじゃないかな。柏が昇格を決めた試合以来、9年ぶりの対戦ですかねえ。

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でぶのオリーの原稿

まずは読んだ本の感想でも書いてみますか。

「でぶのオリーの原稿」 エド・マクベイン ハヤカワポケミス
87分署シリーズ。一過性の冗談としか思えなかったオリー・ウィ
ークスの小説がついに完成し、それが盗まれるのが本書のネタ。
そういう意味では、シリーズの愛読者に向けて書かれた小説とい
う感じ。「キングの身代金」など旧作への言及や、古いエピソー
ドに絡んだ展開が多いこともその印象を強める。
このシリーズは前々作あたりから、一時期のひどく暗いタッチが
消えて、以前の明るさが戻って来た気がしている。背景になって
いる社会は、往時とは較べるべくもないほど悪化しているから、
明るさといっても皮相的なものに過ぎないが、それでも陰欝な社
会を、ただ陰欝に書き綴るだけではない気持ちの余裕を、マクベ
インが手に入れたということなのか、それとも情報量だけは多い
が辛気くさい小説が流行る、昨今の時勢を追っかけるのを止めた
開き直りか。内輪受けなネタが増えている点などを見ると、後者
のような気はしないでもない。小説の面白さを捨てたわけではな
いし、シリーズのファンであれば、それでいよいよ楽しんで読め
るのだから、特に文句はない。今さら87分署に、新たな世界を
求めようとも思わないし。

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とりあえず

タダで作れるようなので、物は試しで作ってみる。

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