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でぶのオリーの原稿

まずは読んだ本の感想でも書いてみますか。

「でぶのオリーの原稿」 エド・マクベイン ハヤカワポケミス
87分署シリーズ。一過性の冗談としか思えなかったオリー・ウィ
ークスの小説がついに完成し、それが盗まれるのが本書のネタ。
そういう意味では、シリーズの愛読者に向けて書かれた小説とい
う感じ。「キングの身代金」など旧作への言及や、古いエピソー
ドに絡んだ展開が多いこともその印象を強める。
このシリーズは前々作あたりから、一時期のひどく暗いタッチが
消えて、以前の明るさが戻って来た気がしている。背景になって
いる社会は、往時とは較べるべくもないほど悪化しているから、
明るさといっても皮相的なものに過ぎないが、それでも陰欝な社
会を、ただ陰欝に書き綴るだけではない気持ちの余裕を、マクベ
インが手に入れたということなのか、それとも情報量だけは多い
が辛気くさい小説が流行る、昨今の時勢を追っかけるのを止めた
開き直りか。内輪受けなネタが増えている点などを見ると、後者
のような気はしないでもない。小説の面白さを捨てたわけではな
いし、シリーズのファンであれば、それでいよいよ楽しんで読め
るのだから、特に文句はない。今さら87分署に、新たな世界を
求めようとも思わないし。

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