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感想「マンチェスター・フラッシュバック」

マンチェスター・フラッシュバック ニコラス・ブリンコウ 文春文庫

それなりに安定した生活を送っていた男に、ある事件を契機にして過去がフラッシュバックして来るという話。
そうして語られるのは1981年の荒廃したマンチェスターでの、ホモのチンピラ仲間との音楽とドラッグと犯罪にまみれた暮らし。それが刺激的なものというよりは痛ましいものとして描かれている辺りが、「トレインスポッティング」(映画版。本は読んでいないので)と似ているようで微妙に違う感触。
このまま、破滅的な犯罪小説へ突き進むのか、と思って読んでいたら、案外、穏やかに収束したのは意外だった。もっと八方破れな作品と思っていたから、肩透かしにあったような気分。こういう小説であってみると、構成の粗さもやや気になる。ただ、破滅的な生活の中で、失わなかった人間性が、事件に巻き込まれるきっかけになるという痛ましさが印象的で、読後感は悪くなかった。
80年代初頭のイギリスの音楽シーンに興味があれば、もっと楽しめたかも知れない。イギー・ポップやデイヴィッド・ボウイは守備範囲の外なので。それはちょっと惜しい。

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