感想「ライ麦畑でつかまえて」
ライ麦畑でつかまえて J・D・サリンジャー 白水Uブックス
最近話題になった村上春樹の新訳ではなく、その前から出ていた野崎孝訳版。古典だし読んでおくべきかと思って入手して、古典だしあわてて読むこともないかと思ってほったらかしにしてるうち、10数年経ってしまっていた。
部分的に共感する箇所もないではないけど、全体的には甘やかされたガキの調子のいい独白という印象。ただ、ティーンエイジャーの頃に読んでいたら、もう少し肯定的か、逆に近親憎悪的な拒絶反応か、いずれにしろもっとポジティヴな感想を持った可能性はあるような気がする。本には読むべき時期があるということかな。
それにしても、「だから何なんだ」的な記述があまりにも多く、いかにも純文学だなと思った。あと、気取った若僧の一人称にしては、訳文そのものが今の時代に読むには古めかし過ぎる気がする。原文も当然古びてはいるんだろうけど、この翻訳は原文の時代性を生かすために訳者の演出が入っている分、普通よりも古び方が加速されてる気がする。そういう意味では、村上訳なら、いくらか印象は違ったのかも知れない。
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コメント
17歳のときに読んだのですが、主人公のホールデン(というよりはサリンジャーなんだろうけど)の考え方とかそういったものにずいぶん影響(特に悪い方の)受けちまったのかな、と今さらながら感じてます。
この作品、一定の年代の者とっては、ある意味有害図書なのかもしれないし、実際にアメリカではそのような扱いを受けた実績もあるようですね。
投稿: 劇団天野屋 | 2004.02.03 20:16
どもども。
本文にも書いてますが、確かに17歳頃に読んでいれば、感じ方は相当違っただろうな、という気がします。今読むと、なぜこの本が、それほど大きな影響力があった(ある)とされているのか、よく判らない感じなんですが。
ただ、考えようによっては、僕は、サリンジャーを読んで育った作家が書いた本を、この本を読む前に、さんざん読んでいると思われるわけで、年齢的なことを抜きにしても、今さら原点に遡っても感銘を受けようがない、ということなのかも知れません。そういう意味では、間接的に、影響は受けてしまっているのかも。
投稿: nsu | 2004.02.03 23:42
>「だから何なんだ」的な
「私は何も理解できていません」と言っている事と同意。
投稿: 素人本読み | 2008.09.06 12:56