感想「エンジェル!」
「エンジェル!」 カーター・ブラウン ハヤカワポケミス
片岡義男の翻訳が絶妙。演出過剰な気はあるけれど、カーター・ブラウンは、これくらい演出して訳しても、本来の持ち味は消えてないと思う。軽妙な語り口と薄いプロットで、楽しくスカスカ読めるが、エンディングのシビアさに、ハードボイルドな本質を感じる。あと、色っぽい場面が過剰でないことで、時代遅れなイメージも持たれたこともあるが、逆にそれが、今見ると、「ルパン三世」めいた洒落っ気のある作風を生かすことにつながっている気がする。何を根拠にして、ウィーラーがこの解決にたどりついたのかが、いまいちよく判らないという問題はあるにせよ、楽しんで読めた。
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