天国の銃弾
「天国の銃弾」 ピート・ハミル 創元推理文庫
随分久しぶりに出た、サム・ブリスコーものの第3作。原著刊行は1983年なので、単に翻訳の間合いが開き過ぎただけだと思う。「血の首飾り」が出てから、10年くらい経ってないか?
翻訳が遅れ過ぎた影響はあって、背景になっている世界情勢が激変していて、やや時代遅れな印象はなくもない。北アイルランドは、この当時に較べれば、今の情勢は沈静化しているはず。いい形で、なのかどうかは、知らないが。
主人公はフリーのライターで私立探偵ではないが、内容は私立探偵小説風な捜査小説。著名なコラムニストである著者自身をモデルにしたこの主人公の、ニューヨークの「セレブ」ぶりが、やや鼻につく嫌いはある。このシリーズは元からそうなんだけど。人を殺すのも、女と寝るのも、いかにも軽い感じで、よく言えば楽しんで書いている、悪く言えば道楽で書き飛ばしているという印象。北アイルランドの苦悩は心を打つのだけど、そういう部分で気持ちを削がれるのは否めない。
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