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感想「ラリパッパ・レストラン」

「ラリパッパ・レストラン」 ニコラス・ブリンコウ 文春文庫
ドラッグを巡ってイカレた連中が右往左往という展開は、「アシッド・カジュアルズ」に似ている。ただ、核になる人物の存在感がやや薄く、話の方向性がなかなか見えないので、とりとめなく進んでしまい、話の流れに乗りにくかった。出て来る連中が軒並み、ラリっては支離滅裂な行動を繰返すあたりも、その印象を強めている。ブラックなドタバタコメディという狙いは判るけれど、いまひとつ空回りしている感じ。
ただ、唐突な転調で衝撃的な場面を作り出す手際は、小説の技巧というより、映像的な作り方という気はするものの、けっこう鮮やか。それもあって雰囲気は悪くなく、つまらない小説ではなかったと思う。
相変わらず、イギリスのポピュラーミュージックに関する言及が非常に多いけれど、ほとんど判らないのは残念。小説の背景作りに、かなり影響していると思われるので。

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