感想「マリナー氏ご紹介」
「マリナー氏ご紹介」 P・G・ウッドハウス 筑摩書房
世界ユーモア文学全集4巻の前半。あとがきによると、1927年に刊行された短篇集をベースに、作品の入替を行った独自の作品集。
スラップスティックなコメディだが、70年以上も前に書かれたイギリスの小説だけに、おっとりしていて、読者を強引に引きずり込もうとするような所は全くない。それでいて、充分おかしく、笑える小説になっている。ある種のコメディは、時代や民族性にとらわれない、普遍的なものだということを感じる。
ウッドハウスのギャグは、今の日本のコメディで使われていてもおかしくないようなものだけれど、それでも陳腐さを感じずに読めるのは、構成のうまさによる所が大きいように思う。笑いを取るというのは、純粋に技術に負う部分が大きいんだな。
もっとも、時代状況や地域性のあるベタなネタも、中には含まれているのかも知れないけどね。こちらには判らないだけで。でも、それで充分面白いんだから、気にする必要はないだろう。
ウッドハウスは再評価の動きがあるという噂を聞いてる。是非。
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