感想「南海ホークスがあったころ」
「南海ホークスがあったころ」 永井良和、橋爪紳也 紀伊国屋書店
南海ホークスの歴史を、球場とファンという視点からたどったもので、目新しい視点でプロ野球を論じている点に引かれて読んでみた。
プロ野球と観客・ファンの関わり方の変遷を描くことで、ホークス一球団にとどまらず、日本のプロ野球(どっちかというとパ・リーグ)全般が論じられていると思う。チームの経営にはばらつきがあっても、チームと関わろうとするファンの行動は、チームによって、それほど大きな違いはないわけだから。地に足の着いた歴史の記述は、プロ野球の70年の歴史の重みを感じさせる。チームへの愛情が伝わって来る所もいい。
近年のプロ野球論は、大リーグやJリーグを理想とした上で、批判的にとらえるものが多い。でも、そういうのの多くは、プロ野球が今の形に至るまでの歴史の積重ねや必然性を考慮しない皮相的なものだし(玉木正之とか二宮清純とか)、今のプロ野球にも現にファンが存在していることを理解していない、的外れな指摘も目立つ。批判するにしても(批判すべき点が多いことは確か)、これくらいの歴史認識とファンのチームに対する愛情を踏まえた上で、論じてもらいたいと思う。
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