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感想「ライオンを夢見る」

「ライオンを夢見る」 矢作俊彦 東京書籍
ヘミングウェイをテーマにした作品集。2/3はヘミングウェイの足跡を訪ねる旅行記で、これに短篇小説2篇が併録されている。
旅行記の部分は、ミーハーな旅行者のようなヘミングウェイ・ツアーをやっていることを恥ずかしがって、観光客の悪口やひねくれたことを言ってみたりしつつ、結構楽しんでしまっている、屈折した心情が見え隠れしている所が面白い。というか、こういう屈折ぶりが面白くて、矢作のこうした文章を、いつも読んでいるわけで。
ヘミングウェイに関する考察の中で、「少々十九世紀的な「男らしさ」への希求」と書いている一節があり、矢作自身は、50年代的な男らしさへの希求を持った作家かも、ということをふと考えた。少し前の時代の「男らしさ」への憧れが、その作家のベースになっているという点で、ヘミングウェイと矢作は共通点があり、それが矢作がヘミングウェイを愛好する理由なのかな、なんて思ってみたりする。
まあ、「男らしさ」という概念自体が、普遍的にそういうものなのかも知れない、という気もするけれど。
短篇の方は、旅行記の方でも触れているエピソードをうまく使い廻してる。スタイリッシュにまとめた印象的な短篇とドタバタ珍道中記。方向性は違うけれども、どちらもとても矢作らしい。

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