感想「わたしを見かけませんでしたか?」
「わたしを見かけませんでしたか?」 コーリイ・フォード 早川書房
古本屋のハードカバーの棚で見掛けて、なんとなく買った翌日に、ハヤカワ文庫の新刊で出ているのを見つけた。まあ、古本屋では100円で買ったんで、いいけど。
短篇集、というか、ユーモアスケッチ集。読んでいると思い出すのだけど、大半はミステリマガジンで既読だったと思う。それでも、読んでからかなり経っているので、面白く読めた。電車の中で吹いてしまわないようにするのに苦労したものもあった。
とはいえ、日常の家庭生活の中にネタを見い出していくタイプの作品が多いので、スケールのでかいバカバカしさや、小説的な完成度などはあまりない。そういう意味では、やや物足りなさはあった。
もっとも、ユーモアスケッチをよく読んでいた頃に、特に好きだったのはサーバーやリーコックで、彼らの方がナンセンスの度合いが高かったように、漠然と思ってはいるけど、実際の所、どうだったんだろうな、という気もしないではない。
| 固定リンク
「小説」カテゴリの記事
- 感想「フィルムノワール/黒色影片」(2023.11.27)
- 感想「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」(2023.10.23)
- 感想「乙女島のおとめ」(2023.05.14)
- 感想「七つの裏切り」(2023.03.27)
- 感想「テキサスのふたり」(2023.03.14)
コメント