感想「妻という名の魔女たち」
「妻という名の魔女たち」 フリッツ・ライバー サンリオSF文庫
最近、創元で再刊されてたみたいだけど、これはサンリオ文庫が潰れた直後に買い漁った中の一冊で、ずっと放置していた。そういうのは、まだ何冊もある。
気鋭の大学教授が妻の呪術を馬鹿にして、自分を守っていたおまじないを全部捨ててしまったら、酷い目に遭い始める。所詮、男なんてのは、女に支えられて生きているのさ、みたいな、洒落のような小説。その割には、コメディのような軽い書き方ではないけど、訳(大瀧啓裕)が少し重々し過ぎるのかも知れない。ストーリーラインだけを再構成してみると、そんなに深刻な小説ではなさそうに思えるので。実際には、ホラー風味を加えた都会的な味わいのコメディ、という線なんじゃないんだろうか。あるいは、「奥様は魔女」をハードにしたみたいな感じ?
今、読む限りでは(原著刊行は1969年)、ネタ的にもテーマ的にも、それほど特別なことはなく、気楽に読める娯楽小説と思った。
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