感想「ボートの三人男」
「ボートの三人男」 ジェローム・K・ジェローム 中公文庫
こちらの続き。ようやく読んだ。
あまり愉しめないんじゃないかと危ぶんでいたけど、そんなことはなかった。電車の中で吹き出さないように気を付けたくらい。冷静に考えれば、古典的なパターンの(だって、1889年に出た19世紀の本だ)笑い話の集まりに過ぎないのだけど、妙にツボにはまって、笑えてしまう。モンティ・パイソンが、ネタ自体は古典的なギャグをやっていても笑えてしまうのと、似ているかも知れない。笑いってのは、本来単純なものということなのかな。
もっとも、この小説はお笑いが全てではなく、テムズ河畔のガイドブックのような意図もあるため、半分近くはテムズ河畔の歴史と地理についての記述になっている。必ずしも笑いを意識していないそうした部分は、笑いの部分と絡み合ってはいるものの、完全に融合はしていない。ただ、コメディ小説として読んだ場合、あまり必要ない部分だけど、この要素があることで、小説としての奥行きが出ているようにも思えるし、だから再読が効く本になっているのかも知れない。
コニー・ウィリスの「犬は勘定に入れません」は、むしろこの辺の要素が使われているんだろうか? いよいよ、読む気で、手に入れる努力をしないといけないかな。
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