感想「Prisoner's Base」
「Prisoner's Base」 レックス・スタウト Bantam Books
ネロ・ウルフもの。ウルフもののリストはこちら。
ウルフ邸でしばらく匿ってもらおうとしてやって来た若い女性を、いきさつはあるにせよ、半ば追い出すようにして帰したところが、その晩、その女性は殺されてしまい、アーチーが罪の意識を感じつつ、犯人を探し始めるという話。ウルフの方は特に悔やんでなかったりするし、ある意味、アーチーが独断でやったことがこの結果を招いた面もある上、その後、さらに追い打ちを掛けるような事件も起き、アーチーの苦悩はかなり深い。
事件は、アーチーに雇われた(笑)ウルフが、簡単なものだけど、ちょっと意表を突いた推理を見せて解決する。プロットは半ばあたりが、とりあえず容疑者の頭数を揃えようとしているようで、ややたるむが、終盤のスピード感のある展開には、かなり引き込まれた。悪くない出来だと思う。
もっとも、実際の所、本書は「グルメ探偵ネロ・ウルフ」の第2回の原作なので、プロットの大枠は知っていて読んだのだけど。おかげで、かなり読みやすくはあった。細部まではあまりよく覚えていないが、TV版は、もう少し軽妙な処理になっていたような気がする。小説版の方が、アーチーの悩む姿をより描き込んでいるようで、その辺も読み所。
ウルフがアーチーに対して見せる、さりげない親心みたいなものは、ちょっと珍しい場面かも知れない。
なお、Prisoner's Baseってのは、陣取り合戦だか、鬼ごっこの一種だかみたいな、遊びの名前らしい。いまひとつぴんと来ないんだけど。
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