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感想「殺しの接吻」

「殺しの接吻」 ウィリアム・ゴールドマン ハヤカワポケミス
「殺しの接吻」という映画は、故・瀬戸川猛資が賞賛していて、瀬戸川のフォロワーだった頃(今は違う)、見たくてたまらなかったのだけど、結局いまだに見る機会がない。その映画に原作があって、しかも著者がウィリアム・ゴールドマンと来れば、読まない訳には行かない。
もっと地味なサスペンスを予想していたので、少し意外な内容だったが、「マラソンマン」のゴールドマンと思えば納得。もっとも、登場人物や事件の特異さは、刊行当時(1964年)は衝撃的だったかも知れないが、サイコサスペンスが乱発されている現在では、それほどでもないレベル。それでもなお、印象に残るのは、それを描くスタイルが特有のものだからだと思う。説明的に書き込まず、突き放すようなスタイルを採ることで、読者の想像力が働く余地が生まれ、深みが増している。もちろん、説明的に書かなくても、小説としてきっちり成立させられる筆力があってのことだけど。
殊更に書かれていないだけに、かえって登場人物の思いが、後々まで思い出されるタイプの小説だと思う。

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