感想「ホンコン野郎」
「ホンコン野郎」 カーター・ブラウン ハヤカワポケミス
アンディ・ケインもののシリーズ第1作。知人に見つけてもらった(感謝>Mさん)。
カーター・ブラウンらしい、お色気とコミカルさはあるものの、それ以上に血生臭さが色濃く感じられた。主人公は私立探偵ではなく一種の悪党。香港に住んでいて、中華人民共和国へ潜入して密輸をやったりしてるので、彼を取り巻く事件が、暴力的な雰囲気を帯びるのも必然ではある。
うまく書かれていて、暴力性が気にならなければ、愉しめる娯楽小説ではあるけれど、こちらがカーター・ブラウンに期待するものから少しはずれている。邦訳が出なくなった頃以降の作品は、こういう方向へ行ったということかな。そんなような話を、以前、小鷹信光の解説で読んだ覚えもある。
(7/12追記 確認し直すと、それほど後期の作品ではなかった。原作は1962年の刊行で、カーター・ブラウンの作品の刊行開始は1958年だから、4年後に過ぎない。また、ポケミスの邦訳刊行順でも、真ん中から少し後という程度。ただ、ブームを巻き起こしたピークの時期からは、やはり少しずれているかも知れない)
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