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感想「生首に聞いてみろ」

「生首に聞いてみろ」 法月綸太郎 角川書店
久々の法月綸太郎もの長編。描写が妙に説明的でぎこちなく、以前はもっとうまく書けていたような、と思ってしまったが、元々こんなもので、久しぶりに読んだせいなんだろうか。もうひとつ、「新本格」はとっくに読むのを止めている中で、法月だけは読み続けているのは、浮き世離れしたトリック志向ではなく、あくまでも「現代」の中で、エラリー・クイーンばりの本格推理を書くという志を感じていたからなんだけど、そうした同時代性を維持するのにも、苦労し始めているように感じる(クイーン自身も苦労していたことだが)。もっとも、これに関しては、個人の感度の問題以上に、今がそういう時代だということなのかも知れない。先日、矢作俊彦を読んだ時にも、似たようなことを思ったので。変化が速過ぎて、ミステリのように完成するまでに時間を要する媒体では、時代を追い掛け切れなくなっているのかも。
それにしても、プロットには相当無理があるように思える。杜撰な犯行計画だったけど、うまく行ってしまった、という前提で考える、という感じ。往々にして現実は、そんなものかも知れないが。登場人物の行動にも納得し難い部分が多く、芸術家はエキセントリックなもの、というイメージに寄り掛かることで、辛うじてリアリティを持たせているように見える。
なんだか、ロス・マクドナルドのパロディみたいだな、と思っていたら、自ら、その名前を出して来たのには笑った(法月は、以前、実際にロス・マクドナルドのパロディも書いてるが)。その辺は充分自覚しているのだけど、これで精一杯なんだという表明なのかも知れない。
[追記 11/21] この記事にリンクが張られているのを見つけたので、こちらからも張っておく。(こちら) この本の感想文が書かれているが、激賞に近い評価。かなり意見が違うが、そういう読み方をする人もいるということだな。

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ようやく、法月さんの「生首に聞いてみろ」の感想なぞ。 推理小説って言うのは、感 [続きを読む]

受信: 2005.03.07 01:53

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