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感想「フェルマーの最終定理」

「フェルマーの最終定理」 サイモン・シン 新潮社
フェルマーの最終定理について、その定理が生まれるに至った背景から、アンドリュー・ワイルズによって証明されるまでを書いた本。原著は97年刊で、訳書は2000年に出た。
歴史的な部分と数学の解説的な部分がバランスが取れていて、読みやすかった。必要以上に数式を省こうとしてないあたりもいい(話がややこしくなりそうな所を、補遺の形で外へ出す工夫もしている)。数式で書けば話が早いのに、まわりくどい言葉で説明しようとして、読んでてストレスを感じることって、この種の本では、時々あるので。まあ、こっちは数学は素人だけど、一応、理系の出身ではあるんで、世間の標準的なレベルよりは数式への抵抗感が低いから、なおさらそう感じるのかも知れない。
フェルマーの定理について語るのが中心になっているけど、結果的には数学の歴史の総ざらいに近くなっている感じ。この問題は、数学の特定分野の中で孤立して存在していたものではなかったし、これを解くことも、数学パズルを解くような趣味性の高い話ではなく、数学的に大きな意味のあるものだった、というあたりが強調されている。もっとも実際は、ワイルズが個人的な(ある意味、パズルを解くような)動機付けの中でやってたことが、結果的にそういうことになったという面もあるようで、皮肉なもんだな、という感じ。
ところで、似たような本を以前読んでいて(アミール・D・アクゼル「天才数学者たちが挑んだ最大の難問」早川書房 原著96年刊 訳書は99年刊)、この本を読んでから、ざっと見直してみたら、中身もかなり似たようなことが書いてあった。すっかり忘れてたよ。シンの本の方が全体的に詳細に書かれているし、こちらの方がワイルズの証明の数学上の意義についてもよく理解出来るように思えた。アクゼルの本は、ゴシップ的な要素が少し強いかも知れない。ただ、アクゼルの方しか取り上げていないエピソードもあるし、個々のエピソードの重み付けや視点も、当然違っているので、一概にどっちがいいとは言い難い。両方読み合わせて、ちょうどいいくらいなのかも知れない。

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