感想「聖なる怪物」
「聖なる怪物」 ドナルド・E・ウェストレイク 文春文庫
フラッシュバックを多用した凝った作りだけど、ネタは最初からバレまくり。そもそも、隠そうとしていない節もあって、サスペンスを書こうとしているわけではないのか?、という気もする。元々、普通小説に色気がある作家だからな、と思ったりもする。
なーんて、油断をしてると、みたいな所もないわけではないけど、総じてサスペンスの物足りなさを埋めるだけの要素はなかったという印象。作家が自分のテクニックを見せびらかしてるだけで。ウェストレイクの小説って、多かれ少なかれ、どれもそういう所があるし、いい方に廻ってる時は、スタイリッシュで格好いいんだけど、うまく行かない時は白々しく感じられてしまう。
近年になるほど、空回りな傾向が強いという気がする。(本書は1989年刊)
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