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感想「キルショット」

「キルショット」 エルモア・レナード 文藝春秋
レナードの89年の作品。これで、レナードの長篇邦訳は、全部読んだことになるはず。
舞台や登場人物が一味違う、という触れ込みの割には、いつもと違う印象は全然ない。だって、カタギの夫婦が主要な登場人物として出て来るけれど、彼らのメンタリティは、いつもの(カタギじゃない)登場人物と大して変ってないんだから。やってる仕事が非合法じゃないというだけ。だから、特に新鮮味はない。
一方で、レナードらしい、盛り上げておいては微妙にずらし、敢えて山場を作ろうとしない、ひねくれた筋運びは健在。個性的な悪党も、うまく造型されている。それで愉しめるんだから、別にそれでいいんじゃないか、という気がする。まあ、特別な作品にはなってない、とは思うが。普通の出来の小説。
マッチョな男は、どんなに立派そうに見えても根本的にはマヌケだし、ほんとに偉くて最後に勝つのは女だしという、ある時期以降のレナードの小説に共通したパターンがあるけど、ここもきっちり押さえられている。そういう意味でも、ほんとにいつも通り。
ただ、舞台や登場人物がやや地味な分、少し爽快感に欠ける面はあるかも知れない。

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