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感想「消滅する言語」

「消滅する言語」 デイヴィッド・クリスタル 中公新書
英語などの巨大言語が勢力範囲を拡大する一方で、少数言語が急速に滅びつつある(2週間に1つの言語が滅ぶペースなのだそうだ)現状の報告と、それを食い止めるために何をするべきか、という点について語った本。
以前、本屋で似たようなタイトルの本を見掛け、面白そうだったが、ハードカバーで高かったので、買わなかったことがあった。あの本が新書化されたのかなと思って買ったんだけど、どうも違うような気がする。どうなんだろう。
一つの言語が滅ぶということは、一つの文化が滅ぶということにほぼ等しく、文化の多様性の維持という観点から、言語の消滅を防ぐことは重要、と理解した上で(著者は、それ以外の理由付けもいろいろしているが、とりあえずそれはおいとく)、本書の中心的な主張には賛同する。ただし、あとがきに触れられている通り、著者の西欧(あるいは英語)優越意識はかなり露骨で、あくまでも「彼ら」の視点だなと感じる部分が多く、それが主張の説得力を、いくらか減じているように思える。
また、土着言語と巨大言語の二言語併用を理想的な状態と見なしているんだけど、好き好んで不便な言語を維持してまで、そんな面倒な状態を保とうと思う人間がどれだけいるかね。標準語と方言みたいな感覚なのかも知れず、ヨーロッパの一般的な言語同士では、そういう感覚も有りなのかも知れないが、たとえば英語と日本語のようなかけ離れた言語同士では? バイリンガルの多い時代だけど、J-WAVEでジョン・カビラの中途半端な日本語なんか聞いてると、ちゃんとした日本語とちゃんとした英語の両立てのが、本当に可能なんだろうかと思ってしまう。
もっとも、今の日本政府は、日本語教育を疎かにしてでも、子供に英語を教え込もうという思想らしいが。政府がそんなことやってるようじゃ、あとがきにあるように、日本語も実は消滅の危機にあるのかも知らん。まあ、元々この国は、口では伝統がどうこうとか言うくせに、実態としては、独自の文化を大切にしない国だしな。

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コメント

確かこの本、途中まで読んでいたはずなんだけど、どこ行っちゃったかなあ。(笑)

本編を読んでいる途中で訳者あとがきを読んでしまって、(あとがきを読む前から薄々とは感じていたことではありますが)内容に対して胡散臭さみたいなものを感じるようになって、読むのを中断してしまったんですけど、その後どこかの雑誌(「文學界」だったかな?)の書評に筆者の提言もそれはそれで現実的な選択なのではという書評が載っていて、それもそうなのかなと思った記憶もあります。

とどのつまりがよくわからないってことなんですけど。(^_^;

投稿: 劇団天野屋 | 2005.06.02 19:28

二言語併用で一時的に救える言語はあるかも知れないけど、長期的に見たら、グローバリズムの流れがある限り(世界的な環境の激変がない限り、それはなくならないと思う)、基本的には消滅言語は救えないというのが、本当の所なんじゃないかと思うんですけどね。文化遺産として、保存されるのがせいぜいじゃないかと。というか、二言語併用で救うという概念自体が、既にそういう思想の入り口じゃないかという気もする。
で、こういう選択もあり、というより、現実には(長期的に効果は期待出来ないかも知れないけど)こういう選択しかない、という話であるようにも思えます。

にしても、このあとがきは、ちょっとひどい気がしました。間違ったことは書いてないかも知れないけどね(^^;

投稿: wrightsville | 2005.06.04 10:34

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