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感想「愚か者の祈り」

「愚か者の祈り」 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫
ヒラリー・ウォーの警察小説。偏屈なベテランとその部下の切れ者の若手のコンビが事件を追う、お馴染みの構図。こういう構図って、そういやあ、ネロ・ウルフとアーチー・グッドウィンみたいだな。初めて思った。
ストーリー展開に無理がなく、素直に引き込まれて読めてしまう。最初に殺人の被害者が発見され、以後はほぼ、淡々と捜査活動を描いていくだけの地味な小説だが、しっかりした作りが地味さを感じさせない。いつもながら、巧い作家だと思う。
ただ、プロットに関しては、ひとつひとつのエピソードの展開が、直線的過ぎるかなという印象を受けた。ひとつ終って、はい、次、みたいな感じ。複数のエピソードが並行して絡まり合うような、深みのある展開にはやや乏しいと思った。事件の真相も、さんざん遠回りした割に、結局それかよ、みたいな感じで、少し物足りない。比較的初期の作品なので、その辺の練り上げ方はまだ未熟ということかな。
また、ヒラリー・ウォーの警察小説が、本格ミステリ的な要素を持つと評されている点についても、読みながらつらつら考えていたけど、その辺はまた別途。

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» 「残暑よ、暑いざんしょ」ってどこで読んだのだっけかな? [お父ちゃんのふるほ日記]
 『愚か者の祈り』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫 読了。  スピーディーな語り口が、最後まで生きていて、作品全体は引き締まっていて面白く読めた。  ただ、結末というか事件の真相の部分だけが、本格に流妙に作り物めいた感じになっている。それまでがからっから....... [続きを読む]

受信: 2005.09.01 20:22

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