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感想「モハメド・アリ その生と時代」

「モハメド・アリ その生と時代」 トマス・ハウザー 東京書籍
「ザ・スポーツ・ノンフィクション」の1冊。本文がハードカバー696ページ。重かった。今は岩波文庫に入ってるみたいで、もっと楽に読めるらしい。でも、この叢書に入っているから読んだ、という面もあるわけで…。
内容はモハメド・アリの半生記。多数のインタビューを元に構成しており、直接、著者が見解を記述する場面は少ない。そういうスタンスで本書を書いた旨、著者もまえがきで書いている。なので、相反する記述もあったりするが、それは本書の趣旨に沿った形。
全体的な印象としては、あらゆる面から見て、アメリカ人の中の多数派の一員とは言えないアリが、紆余曲折ありつつも、最終的にアメリカ人全体のヒーローとして受け入れられたということは、アメリカの多様性、懐の広さを示すものなのかな、という感じ。ブッシュ以降、9.11以降、どうなんだというのはあるけれど(本書が書かれたのは1991年)、確かにアメリカにはそういう面はあるのだろうな、という気はする。
ただ、それはアリが、美しくて、強くて、不屈だったからかも知れないけど。それはおろそかに出来ない点だとは思う。
他には、アリが、とてつもなく愛他主義的な人物として描かれている所が目を引く。これがどこまで真実なのかは分らないけれど、いずれにしても、非常に特異な人物なのは、間違いなさそう。
アリは、アメリカというより全世界で愛されている、というようなことも書かれているが、日本ではどうだろうな。アントニオ猪木との異種格闘技戦のせいで、日本でのアリのイメージって、少し損なわれてるんじゃないだろうか。それに、そもそも、そこまで知られているかな。
マルコムXの自伝も以前読んでいるので、最初の方で、そちらとリンクしているあたりは興味深かった。ただ、そちらを読んだ時も思ったことだが、アメリカの黒人問題は、本書を読む上で考えない訳にはいかないほど大きな比重を占めているが、そこの所は日本人が深入りしても仕方ないように感じている。黒人問題を論じる以前に、国内で論じるべき問題がいくらでもあるよな、という気がする。

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