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感想「エラリー・クイーンの国際事件簿」

「エラリー・クイーンの国際事件簿」 エラリー・クイーン 創元推理文庫
クイーンの2冊の犯罪実話集「INTERNATIONAL CASE BOOK(国際事件簿)」と「THE WOMAN IN THE CASE(事件の中の女)」の邦訳。2篇のおまけ付き。
これまでに集中の何篇かは雑誌などで訳されていて、それらを読んだ印象は、単にクイーン名義というだけのハンパな発掘作品、という程度のものだった。だから、本書もあんまり期待はしていなかったんだけど、案外良かった。1冊の本にまとまることで、犯罪実話集としての作品のコンセプトが明確に感じられ、「本格ミステリ作家の余技」的なイメージが薄れたためじゃないかと思う。
「国際事件簿」は世界各地で起きた犯罪を、「事件の中の女」は女性が絡んだ犯罪を取り扱っているが、一部、狂言廻し的にエラリー・クイーンが登場する前者の方が事件の特殊性に重点があるのに対し、後者の方は事件の関係者の人間性に焦点が合っている傾向があるように思える。敢えて言えば、前者が国名シリーズ的で、後者はライツヴィル物的かな。もっとも、そこまで極端な違いではない。50年代に書かれたという時期的なものや、リ−が単独で手掛けたということもあり、傾向としてはどちらも中期以降の作品に近い。
「事件の中の女」には、「災厄の町」以降のクイーンの作品に目立つ、事件解決後のやるせない徒労感に通じるものが色濃く感じられる作品も何篇かあり、確かにこれはクイーンの味わいそのもの、とも感じた。国名シリーズを期待して読むと、あまり楽しめないと思うが、ライツヴィル以降の作品を読む上では、結構、参考になる部分があるように思える。このような現実の犯罪への関心や知識の上に、クイーンのリアリズムなミステリは書かれていたのだな、とも思った。

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