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感想「パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない」

「パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない」 ジャン・ヴォートラン 草思社
警官が娘に語ったお話に架空の犯罪者を登場させたら、その名(ビリー・ズ・キック)を名乗る連続殺人犯が出現する、という話。読む前は、ちょっとファンタジーぽい設定だなと思ってたが、実際は、そこの所は特に謎でもなんでもなかった。
登場人物が軒並み破綻してるとこが、いかにもフランス風。ただ、マンシェットのように、ヴィジュアル的な格好良さとか、社会への閉塞感・絶望感を正面から描いてはいない。謎めいた殺人者の出現が、現実の閉塞感を打ち破る存在として歓迎されるという、アナーキーで社会批判的な面はあるけれど、コメディの要素の方が、より強く出ているように感じた。
大半の登場人物は、実際に居そうな人間を、極端に戯画化したようなレベルでの破綻した変な人たちだし、そういう人々の絡み合いで生まれるおかしさが、本書のいちばんの味だと思う。
まあ、かなり暴力的な小説ではあるんで、コメディと言っても、ブラック・コメディだけれど。
軽快なテンポで、意表を突いた方向へ話が転がり続けるストーリーテリングも巧み。キワモノ的な部分とは別に、普通に読んでも面白いんではと思った。

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