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感想「奥羽越列藩同盟」

「奥羽越列藩同盟」 星亮一 中公新書
北方謙三の「黒龍の柩」を読んだ後、古本屋で眼に止まって、なんとなく買ってみた。「黒龍の柩」後半部の背景になっている奥羽越の戌辰戦争を、奥羽越の各藩の立場から論じた本。
列藩同盟って、歴史の授業とかで名前くらいは出て来るけど影が薄い。初めてまともに、この辺の事情を読んだ。まあ、ここまで各藩の思惑がバラバラでは、影が薄いのもやむなしだな、と思ったけど。出身が出身なんで、この辺の時代に関しては、もともと長岡や会津の側に同情的だから、もう少し何とかならんかったのだろうかと考えずにはいられなかった。もっとも、ここで列藩同盟の側が踏ん張って、東日本政府対西日本政府という構図で内戦が激化したら、欧米列強の介入を招く事になってしまうので、それは避ける必要があったというのが「黒龍の柩」の話。実際、そんな所だったのかも知れないけれど(内乱を避ける必要があるという認識は、列藩同盟の側にもあったように本書に書かれている)、そうはいっても、奥羽越が薩長に屈して行く過程を読んでいるのは、なかなか辛いもので。しかも、薩長に対して、列藩同盟の側に明らかに理があると思えるくだりなんかを読んでいると。もちろん、本書は列藩同盟の側に立って書かれているから、論調は多少割り引いて考える必要はあるのだろうけど。
「黒龍の柩」の出来事を、別の角度から見ているような所もあって、その辺、興味深かった。単に名前が出て来る程度だが土方歳三への言及もあったし、甲鉄と榎本武揚の件とか、大鳥圭介とか、いろいろ面白かった。読んでみた値打ちはあったな、という感じ。

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コメント

 こんばんは、初めまして。私のブログにコメントして頂き有難うございました。

 北方謙三の「黒龍の柩」は読んだ事が無いです。薩長ではなく列藩同盟の側から書かれた物も興味深いですね、機会があれば読んでみたいです。

 ところでヤクルトファンでいらっしゃるんですね、実は私もそうなんです♪。

 

投稿: tokkey_0524zet | 2005.12.31 18:55

リンクで河井継之助に関する文章をいろいろ読ませていただきました。ありがとうございました。

>ところでヤクルトファンでいらっしゃるんですね、実は私もそうなんです♪

トラックバックをたどって、ブログを拝見した時、一瞬、スワローズ関係のトラックバックだったかな?、と思いました(^^;

投稿: wrightsville | 2006.01.01 15:46

 はじめまして。星 亮氏の最高傑作-以後の著作はいまいちのため-は必読です。宮城に在住していますが、薩長=善・・幕府、反薩長勢力無能の史観は、歴史研究上からも否定され始めていますし、明治初期の東北の農民一揆は「薩長は幕府におとる」がスローガンだったものが多数あります。
 秋田の有名な地方出版から元新聞記者の加藤氏の著作がブックレットででていますので、興味があるならお読みください

んだんだブックス
「戊辰戦争とうほく紀行 」
ISBN:4895442241
加藤貞仁 無明舎出版 1999/10出版

写真満載。続として「箱館戦争」も出ています。

投稿: ユモプー | 2006.03.23 23:52

コメントありがとうございました。
育った土地柄のせいか、反薩長が薩長に劣るという感覚は元々ほとんどなかったので、そういう流れは当然のようにも思えますが、歴史研究上は、ようやく否定され始めたというレベルなのですかねえ。それでも正されつつあるというのは悪いことではないでしょうが。
ご紹介いただいた本は、機会があれば、見てみたいと思います。

投稿: wrightsville | 2006.03.27 00:19

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