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感想「さまよう薔薇のように」

「さまよう薔薇のように」 矢作俊彦 角川文庫
1984年に刊行された短篇集の文庫化で、帯には「著者唯一のハードボイルド作品集」とあるが、誰がそれを言ってんだろうな。自分はハードボイルド作家ではない、と言っている本人が、敢えて認定した唯一の「作品集」ということなのかな。長篇なら、このくらいハードボイルド的なものは、いくつかあるはずと思うが、あくまでも「作品集」ということかな、とか。
何にしても、そう書かれてるだけあって、かなり本流的なハードボイルド・ミステリ。中篇3作から成っているが、一つ一つがちょうどいい長さと思った。矢作的な美意識が、充分に感じられるがくどくなく、それなりに手の込んだプロットを持つが、話が広がり過ぎて破綻しない程度の長さ。格好良くて、ミステリとしても完成度が高い。本人がどの程度、こういうおさまりのいい作品に愛着を持っているのか、よく分からないけれど、書こうと思えば書ける作家なんだよな、というのを再認識させられた。

読んでいて、どことなく、25年くらい前の探偵物のTVドラマを思い出した。「探偵物語」とか「プロハンター」とか。主人公は(当時の)藤竜也で、細貝は(髪型が似てるぽい)山西道広かな。元々この本が出た時期もその辺だし、矢作が日活アクション映画絡みでいろいろやってた頃でもあるから、そう見当外れな連想でもないんじゃないかな。

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