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感想「冬の子供たち」

「冬の子供たち」 マイクル・コニイ サンリオSF文庫
随分以前に、古本屋で見つけて買ったもの。この作家、サンリオで出てた当時、結構評判が良かったと記憶してるんだけど、その後、どこからも復刊されてないよね? なんでだろう。マニアが熱狂するようなタイプの小説じゃないからかな。
「ブロントメク!」を、ずっと以前、借りて読んだけれど、それも叙情的な雰囲気のかわいらしい小説だな、という印象が残ってる。その時の好印象があったから、これも比較的まともな値段で見掛けた時に買ったんだけど。
本書は、突然氷河期がやって来て文明が崩壊した中で、生き延びようとするコミュニティを描いたものだけど、やっぱりなんかかわいらしい小説。生き延びられるかどうか、瀬戸際みたいな所で生きてるはずなのに、この手の小説に普通あるような、当事者の切迫感が妙に乏しい。当座の食い物はあったり、実は似たようなコミュニティがそこここにあるらしかったり、南へ向かえば、雪のない文明も生き延びてる土地があるかもしれなかったりするんで、必ずしも絶望的な状況に見えて来ないことがその一因だろう。非情な展開や、殺伐とした場面などもあるんだけど、どこかシビアさに欠けている。中盤に物々しい前振りで登場する敵役の人物が、結局、何しに出て来たん?というくらいの役しか振られていないあたりも拍子抜け。構成的に、なんだかユルい。
そういう意味で、あんまり緊迫感のある小説じゃなく、成功している小説とは思えないのだけど、妙にのんびりした筆致が心地よく感じられたのは確かで、後味は悪くなかった。つまりはその辺が、この作家の持ち味ということなのかも知れない。

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