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感想「カッティングルース」

「カッティングルース」 マイクル・Z・リューイン 理論社
リューインの青少年向け小説。ハイアセンの「HOOT」で当てた理論社が、二匹目のどじょうを狙ったか、という感じの本。

もっとも、ハイアセンが自分の本来の作風を、低年齢向けにややあく抜きしただけで、基本的にはそのまま持ち込んでいたのに比べ、本書のリューインは、いつもと全然違う物を書いている。一応、サスペンスではあるものの、19世紀のアメリカとイギリスを舞台にした大河ドラマ的な時代小説だし、いつものコミカルな持ち味も、かなり抑え気味。ハイアセンよりも難しいことをやってるな、と思うが、完成度は残念ながら、いまひとつ。
青少年向けということで、プロットがやや甘くなってる面はあるのかも知れないが、それ以上に、書きたい材料がいろいろあり過ぎて、ちょっと散漫になってるかな、という印象。主なポイントは、19世紀のアメリカでは、身寄りがない(と見なされた)孤児は、当たり前のように売り買いされるような存在だったという所と、19世紀後半からの野球の興隆という所で、それは著者あとがきを見ても分かるんだけど、さらにそこに、黒人やフェミニズムの問題を微妙に絡めたり、ワイルドウェストショーを出してみたり、大西洋航路の風景やロンドンの演芸を描いてみたり、盛り沢山。そもそも、大河小説って、そういうものかな、という気はしないでもないが。

女性が男性のふりで世渡りしていくのが、ストーリーの大きな軸だが、実際にここまでバレずにやっていけるもんだろうか。ちょっとリアリティがないんじゃないか。もっとも、19世紀だから、身体の露出が少なかったりして、現代より有利な条件はあるかも知れない。
草創期のアメリカの野球事情が、細かく描かれているあたりが面白かった。イギリスでも、野球の人気があった時代があったというあたりにも、興味をそそられた。リューインは確か、野球よりはバスケットの人だと思ったのだけど、やはり野球はアメリカ人の魂なんだろうか(^^;。

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