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感想「灰色の栄光」

「灰色の栄光」 ジョン・エヴァンズ 河出書房新社
ポール・パインもの4作目。
これも20年振りくらいの再読だが、子供が出て来るということくらいしか覚えてなかった…。
前3作から間合いを置いて出た本だが、実際には続けて書かれたものではないか?、とか(解説に書かれている小鷹信光の推測)。ただ、前3作とはかなり違いを感じた。パロディめいた所が薄れ、正真正銘の私立探偵小説、という雰囲気があるように思う。パターンを踏襲していても、露骨にそれを感じさせない巧さがある。
プロットは相変わらず丁寧に組み立てられているが、本書では私立探偵小説の枠組の中で、無理なく説明されていて違和感がない。パインの人物像も自然で、魅力的になってきているように感じる。
違うと感じる一因として、近年にハードボイルドを数多く手掛けてる訳者(石田善彦)の手慣れた訳文で、他の3冊とは翻訳の質が全く違う影響は確実にあるけれど、それだけではないと思う。オリジナルは前3作に続けて書かれたとしても、出版に当たって手を入れたというのは考えられるわけだし。著者が作家として成長したということなのでは。
多分、これがシリーズ最高作だと思う。
(2006.11.19読了)

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