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感想「杖下に死す」

「杖下に死す」 北方謙三 文春文庫
大塩平八郎の乱を背景に置いた時代物。
世の中の乱れとか、それに対する改革の志とか、諸勢力の暗躍とか、いろんな要素のある小説だけども、なにより先に、現代もののでは書けないような純粋な友情を描いた小説だな、という気がした。北方にはそういう小説はいくつかあるけど、中でもそういう特徴が強く出ている部類じゃないかな。で、そういう所に、えらく心を打たれてしまったりする。
よく知らなかったが、大塩平八郎の乱って、こんなチャチなもんだったのか。ある意味、背景に置かれたものの重みの無さが、主人公二人の友情の、本書の中での比重を増しているようでもある。脇役には、結構適当に書かれている人物もいるが(だから、北方の小説として、傑作とまでは思わなかったが)、内山のような、いい感じに描かれているキャラクターも居るし、悪くない出来だと思う。清々しい印象がいい。
(2006.10.21読了)

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