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感想「夜に消える」

「夜に消える」 ハワード・ブラウン ハヤカワポケミス
ハワード・ブラウン(ジョン・エヴァンズ)の非ポールパインものサスペンス。
妻が奇妙な状況で失踪したやり手の広告マンが、自分の力で妻を探し出そうとする。主人公は広告代理店の重役という自分の地位を利用して、調査を進めていくが、彼の、自分は特別といわんばかりの意識が、結構鼻持ちならなかったりもする。もっとも、こういうのでありがちな、事件をきっかけに自分を見つめ直す的なクサイ展開になっていかないのは、それはそれで清々しさがあるけれど。
他にも色々と「人間ドラマ」を展開出来そうな要素には事欠かないが、著者はそういうのはほったらかして、もっぱら純粋なサスペンスとして小説を進めていく。長さの制約とかもあったのかも知れないが。
その分、当然、サスペンスとしてのプロットはきっちり構成されていて、完成度が高い。冒頭の謎めいた出来事も、きれいに謎が解き明されていく。ポール・パインものの印象を含め、この作家の技術は一流だと思う。この後、テレビのシナリオの方に転身したそうだけど、プロット作りの巧さを見ると、それは天職だったんじゃないだろうか。
(2006.11.26読了)

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