感想「でかした、ジーヴス!」
「でかした、ジーヴス!」 P・G・ウッドハウス 国書刊行会
国書刊行会のこのシリーズは、比較的短い間に、立て続けに読んで、少し食傷気味になっていた。それで、これは買ったものの、しばらく放ってあったが、思い出して読んでみた。次の「サンキュー、ジーヴス」が出てしまったことでもあるので。
えらく面白かった。しばらくぶりで読んだせいか、それとも、本書がシリーズ中でも傑作だということなのか。短篇集だけど、国書刊行会のこのシリーズで、短篇集が出るのは久しぶりじゃなかったかな。その効果もあったかも知れない。長篇には長篇の持ち味があるにしても、本書は、ひとつひとつが程よい長さでまとまった笑い話になっていて、短篇集の良さが出ている。
それと、フォーマットを崩さず、あくまでもスーパーヒーロー・ジーヴスの活躍を描く、というスタンスを崩していない所がいい。これだけ作品数があると、異色作を入れたい衝動に駆られがちな所だけど、それをしていないから、安心して読めるんだなと思う。
(2007.1.19読了)
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