感想「逃亡日記」
「逃亡日記」 吾妻ひでお 日本文芸社
吾妻ひでおの日記3部作?(^^;の3冊目。ちなみに、3冊とも、判型も装丁も似通っているけど、全部違う出版社。「失踪日記」はイーストプレスで、「うつうつひでお日記」は角川書店で、これは日本文芸社。吾妻ひでお自ら、本の中で、「「失踪日記」の便乗本」「立ち読みして、買わなくていいです」と呼びかけている(^^;。まー、それでも買ってしまったわけだが(そういう記述が本文中にあるのに気付いた上で、買いました(^^;)。
マンガは冒頭と巻末のそれぞれ10ページ前後のがあるくらいで、あとは大半が、吾妻ひでおがこれまでやって来た、あれこれについてのインタビュー。いろいろと、興味深かったり、面白かったりするんだけど、あくまでもインタビューで創作でもマンガでもないので、読んだ誰もが面白いと思える本ではないだろうな。前2作 (^^;を読んでいる上で、過去の作品も一通り知ってるくらいでないと、全体を通して、面白いと思うのは難しいんじゃないかな。もっとも、アル中とホームレス体験について語っているあたりは、予備知識がなくても、実体験の重みに感銘を受ける部分があるかも知れないが。この辺はかなり生々しいものがある。
自分は、吾妻ひでおのマンガを読んでた時期がそこそこ長いし、結構変なものまで手を出してたから、思い出されることがいろいろあって、愉しめたけれども。ただ、この人はこの先、どこまでマンガ家としてやっていけるんだろうな、とも思った。
(2007.2.1読了)
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