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感想「帝都東京・隠された地下網の秘密」

「帝都東京・隠された地下網の秘密」 秋庭俊 新潮文庫
以前、単行本で出た時に、そこそこ話題になっていて、読んでみようかと思ったが、読み逃した本。去年の初めに文庫化された時も、読もうかと思ったが、何となく忘れていて、先日、古本屋で見つけて思い出して買った。

戦前の東京には地下鉄は銀座線しか走ってなかったことになってるが、実際には今とほとんど変らないくらいの規模の地下鉄や、地下街路が建設されていたんじゃないか、という仮説を元に、当時のいろんな資料をつなぎあわせて、それを検証して行くもの。書かれている内容をそのまま受け取れば、確かにそうかも知れないという気がしてくるし、実際、東京の地下鉄は、なんでこんな風に走ってるんだ?と思うところが随分あって、そういう疑問の回答にもなっているかなとも思う。ついでに言うと、丸ノ内線の新宿から荻窪までと、西武新宿駅の関連について、しばらく前に調べたことがあって(といっても、 wikipediaを見ただけだが)、なんだか腑に落ちないと思っていたんだけど、こういう背景があったのであれば、妙ないきさつがあっても不思議ではないなと思った。

ただ、もしこれが真実だとすれば、関係した人間は山のように居るはずで、にも関わらず、それが公には伏せられた状態であり続けているのは、少し奇妙な気がする。戦前ならともかく、今の時代に? もっとも、完全に表から消えているわけではなくて、実は知ってる人は知ってるという話になるんだろうけど。だからこそ、著者もここまでたどって行けた、ということになるんだろうが。

で、著者は、現在も公には伏せられた形で、東京の地下で何かが作り続けられている、という方向に、持って行きたいようにも感じられるのだけど、なぜかそこはあまり露骨に書かれていない。確信がないのか……圧力を受けていて、曖昧な形でしか書けない、とか? ただ、こういう形でこういう本が世に出ている以上、本当にヤバい話では有り得ないよな、とも思うわけで。どう考えるのが妥当なのか、よく分からない。単行本は、よく分からない出版社(洋泉社)から出ているけど、これは新潮文庫だしねえ。ネットで簡単に検索を掛けてみたけど、世の中一般の感想でも、これが衝撃の告発なのか、単なるトンデモ本なのか、受け取り方は割れてるようだ。そうだよなあ。納得するためには、最後は自分で検証するしかないのかな。

ちなみに、東京の地理に明るくないと、かなり苦しい本(実際、あんまりピンと来てない所が多い)。都区部の地図帳と引き較べながら読んだ方が良さそう。その方が楽しめるのは間違いない。
(2007.3.27読了)

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