感想「ギャングスター・レッスン」
「ギャングスター・レッスン」 垣根涼介 徳間文庫
甲府まで行くのに手持ちぶさただったもんで、キオスクで適当に物色して選んだ本。訳あって、この作家は以前から少し気にもしていたので。
どうも「ヒートアイランド」って小説の続篇だったようで、そこがまず失敗。前作を読んでなくても最低限、読める小説になってはいたが、いまいち引き込まれるものがなかった。主人公がどういうキャラなのか、うまく掴めなかったのが最大の敗因。
途中までの展開からは、解説に引合いに出されている悪党パーカーみたいなプロフェショナルな犯罪小説を期待したんだけれども、これもいまいち消化不良。いかにもプロっぽかったキャラが、不測の事態に追込まれると、いきなりオタついてしまったり。
所々にある青春小説っぽいヌルさも内容にそぐわない。というか、そっちの方が本来目指している筋なのか?という気もするんだけど、それならそれで、いかにも犯罪小説っぽい部分に、もう一工夫あっても良さそうな。
車とか銃器について、トリビアな知識を並べる部分とかも、いかにも本文に馴染んでない。
しかも、続篇があるらしく、あんまりちゃんと話が終わってなかったりするし。
なんか中途半端な、という後味ばかりが残った。いやシリーズ作品の真ん中だけポツンと読んだ、こっちが悪いのかも知れませんが。
(2007.3.10読了)
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