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感想「女に生まれて男で生きて」

「女に生まれて男で生きて」 水間百合子 河出書房新社
90年代の初めに女子サッカーの日本代表FWだった人が、自分の半生を書いた本で、実はこの人は性同一性障害だった、というのがポイントになってる。もっとも、この人がその言葉で出会ったのは2002年だそうで、それまでは自分のことをレズビアンと思っていたわけで、この人の中でも、性同一性障害というのは、まだそんなにこなれてないんじゃないかと思う。この言葉がサブタイトルに書かれている割には、そこの所がそれほど掘り下げて書かれていないのは、そのせいじゃないかな。
ただ、ここまでの半生での、日常の中での違和感については繰り返し書かれていて、他人と違う所を持った人間が生きてくシンドさみたいなものは、結構伝わって来てるようには思った。「違う所」ってのに、「女の子」でサッカーをやってるのが奇異に見られていた、というあたりも含めて。
元々は、本書に対する興味の焦点はそっちじゃなくて、90年代の女子サッカーや浦和レディースのことが書かれている所だったんだけど、それは以前に本屋でぱらぱら立ち読みした時以上のものはなかったような気がする。あんまり掘り下げたことは書かれていない。多分、周囲にかなり配慮して書いているんだろうと思う。一部、人名がかなり分かりやすそうな部分もあるが、これはしょうがないだろうなというレベルに留まっているし。
それでも、ある程度時代の雰囲気は伝わって来るし、他に同様なものがない状況では、貴重な記録じゃないかなと思う。レッズが来る前の浦和のサッカーの、主流ではない一面を伝えているという点でも。

ちょっと食い足りない感じはあるけど、バランスよくまとまった本だと思う。
(2007.6.13読了)

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