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感想「摩天楼のサファリ」

「摩天楼のサファリ」 ジョージ・C・チェスブロ 扶桑社ミステリー
ファンタジーに片足引っ掛けたみたいな異色作。もっともこの作家は、そもそもこういう作風で、この作家としてはいつも通りの作品というべきなのかな。なにしろ、他には(少なくとも長篇は)「ボーンマン」しか読んでいないので、その辺はよく分からない。奪われた民族の神の像を取返しに、アフリカの砂漠からニューヨークにやって来た若酋長が、警察やマフィアに追われながら逃げるのを、夢の世界を現実に感じられる特殊能力を持つ主人公が助けようとする話。
主人公の特殊能力は、話と絡み合ってはいるけれど、プロットの展開を直接左右するものではなく、そういう意味では、真っ当なサスペンス小説ではある。ただ、普通の小説なら、ここの捜査のくだりを書き込んでいくよな、というあたりを、夢で追体験する冒険行として描いてしまっているから、それはそれで独自の味わいではあるが、好みとしては、いまひとつ食い足りない。
敵役も、そうとうヤバそうだった第一印象からすると、ややあっけなく話の外へ出ていくし、非常に印象的な出だしで、これは凄い小説かも、と思わせた割に、案外あっさりまとまっちゃったな、という感じは否めなかった。
本書で語られる前日譚の方が凄い話のように思えるが、第1作でそれを書いているんなら、そっちも読んでみたいな。
(2007.6.9読了)

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