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感想「泥棒は深夜に徘徊する」

「泥棒は深夜に徘徊する」 ローレンス・ブロック ハヤカワポケミス
バーニイ・ロウデンバーものの新作。
近年のブロックにしては、結構プロットに力が入っている気がする。とりとめのない雑談での水増し感があまりなかった。まあ、余談的なイベントもプロットに繰入れちゃう、偶然が偶然を呼ぶ的なプロットの賜物ではあるかもしれないが。その結果、謎解きの部分がかなりとっちらかってる感もある。でも、それはこのシリーズはいつもそうかも。
先日の「快盗タナーは眠らない」に較べると、洗練されているのは明らかで、会話も話の運びも自然。かなり無理のある展開であっても、なんとなく納得させてしまう話術がある。にしても、ラトビアの近代史なんかが題材の一部になっているところが先日のタナー本と通じるものがあり、思いがけなく、彼の変わらない一面を見た気もする。(一方で、そういう題材を扱う手際の進歩というのも感じたわけだが)
気楽に楽しめたし、シリーズ中でも、出来はいい方の部類じゃないかな。
(2007.8.13読了)

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