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感想「目くらましの道」

「目くらましの道」 ヘニング・マンケル 創元推理文庫
クルト・ヴァランダーもの。
連続猟奇殺人犯を、ヴァランダー以下イースタ警察の面々が追っかけるという話で、犯人の正体や、一見、関係なさそうな別の事件が、どう繋がって来るかというあたりは、ヴァランダーたちには謎でも、読者には早い段階で見当がつくようになっている。叙述トリックみたいな、サプライズな仕掛けがあるわけでもない。それでも読まされるのは、捜査過程や犯人の心理が丹念に描かれているので、どこでどういう形で彼らが犯人に気付くのか、という興味で引っ張れているからかなと思う。
事件とは直接関係のない、ヴァランダーのプライベートなあれこれの展開も興味深い。登場した時はかなりキワモノぽかったキャラクターが、すっかり実在感のある人物になったよなあ。依然、時々おマヌケを炸裂させはするものの、以前の性格破綻者のようなとんでもない失敗は影を潜めつつあって、普通の人間の人間性の一部のような感じだ。それはそれで、ちょっとつまらなくもないが(^_^;)、ヴァランダーの派手なチョンボは、小説の他の部分といまいち噛み合ってなかったし、これはこれでいいんじゃないかな。
ヴァランダーと老いた父親とのやりとりは、自分の身に引きくらべてみるような所がないでもなく、その辺もひっくるめて、もはやヴァランダーは、自分にとって、凄く年上というほどの存在ではないわけで、そういう現実感も読まされる理由の一部なんだろう。サスペンスとしてというより、単に小説として、読んでいたように思える。そういう風に読めるだけの力のある作品、ということかな。

夏休み直前の事件の勃発で、休みが取れるかどうか、やきもきってのが、時期的に身につまされた(^_^;)。
(2007.9.10読了)

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