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感想「堕落論」

「堕落論」 坂口安吾 角川文庫
1940年代にこの本が出た当時は相当話題になったらしいし、坂口安吾の代表的な著作に上げられる本でもあるけど、掃いて捨てるほど作家のエッセイ集が出てる近年の感覚だと(作家自体、掃いて捨てるほど居るという感じ)、これがそこまで大きな本なのか?と思うんじゃないかな。少なくとも、俺はそう感じたけど。
ただし、それなりに気の利いたことが書かれているとは思う。60年前の本であっても、背景にある風俗はともかく、思想そのものはそんなに古びてないように感じる。あの時期にこういう文章が出たということ自体が、衝撃的だったのかも知れないけれど、それは俺には分からないから。

日本人が本来復讐心が薄く、執着も持たない存在で、それは権力者にとって都合が悪いので、武士道とか、色々な規範を設けて縛った、というあたりの主張は非常に共感を覚える。日本人の根本的なそういういい加減さが、なんでも呑み込んで自分のものにしちまう柔軟さであり、恨みを忘れない性分の国の人達と話が噛み合わない原因でもあるんだろうと、日頃から思っているので。それが分ってなくて、規範の方が本来の姿だと勘違いしてる連中が多いから、話がややこしくなる。
(2007.8.29読了)

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