感想「浴槽で発見された日記」
「浴槽で発見された日記」 スタニスワフ・レム 集英社
ずっと前に古本屋で買った、集英社から出てたハードカバー本。長い眠りについていたが、ようやく読んだ。
でも、これ、理解不能な本だった。勘所が全く分からない。自らの維持のみが存在目的と化した組織に疎外される個人、というテーマが、見えるような気はするけれど、不毛なエピソードを闇雲に積み上げて、不毛な状況を繰り返し描いているような所があり、それだけのことなら、この長さは要らないのでは、と思ってしまう。それとも、俺には掴めないテーマが、他に存在してるんだろうか。
ともかく、短篇ならともかく、短めではあっても、長篇でこの内容は辛い。読んでいて、ただただ不毛でつまらなかった。
どうもレムの小説は、いつもそういう風に感じる所がある。文化的な背景が違い過ぎるのかも知れない。
「序」の部分だけは、ちょっと面白かったけど、ここはここで、よくある手だな、という気もしないではない。
(2007.10.10読了)
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