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感想「路上の事件」

「路上の事件」 ジョー・ゴアズ 扶桑社ミステリー
ジョー・ゴアズの非シリーズ物。
原題はただのCasesなのに「路上」がくっついてるのは、本書が半ばまでロードノベルになっているから。ジャック・ケルアックの「路上」(読んでない)を意識した邦題らしい。
前半は1950年代のアメリカを舞台に、作家志望の青年が人生勉強のために放浪する先々で出くわす事件を描いていく。アメリカ人のノスタルジーにあんまり共感出来ないもんで、まあそこそこという感じだったけど、ひとつひとつのエピソードは確かに印象的に書かれてはいる。
個人的には、後半に入って、主人公がサンフランシスコの私立探偵事務所で働き始めてから、話が生き生きと動き始めたように思った。まあこれがゴアズの中心的なテリトリーでもあるわけだし。ここで、雇主がダン・カーニーに、主人公がラリー・バラッドにかぶって見えるのはしょうがない。
ミステリとしては、このサンフランシスコのパートで、そこまでのエピソードで張られていた伏線が収束し、結末を迎えるという構造になっている。うまい構成だなとは思ったが、結構強引にリンクさせてるように思える部分もないではない。最初からこの構想があった上で、全てのエピソードが書かれたわけではないんじゃないかな。
どっちかというと、やっぱりこれは青春小説としての方が完成度は高いような気がする。青年が歓喜と絶望を潜り抜けていく過程が、よく描かれていると思う。

それにしても、ゴアズって、誰が訳しても、なんか固くて、いまいちぎこちない訳文になるねえ。原文がそういう味なのかしらん。
(2007.10.18読了)

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