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感想「キューバ・リブレ」

「キューバ・リブレ」 エルモア・レナード 小学館文庫
全く予備知識なしに読み始めたので、一瞬戸惑った。現代アメリカを舞台にした小説ではなく(「キューバ」と入っていても比喩的な使い方やものの名前ということもありうるから)、キューバ革命ですらなく、19世紀末の米西戦争を背景にしたキューバでの話だった。もっとも、訳者があとがきで書いてる通り、レナードにはウェスタン小説が多くあるから、時代的に彼の小説としてそれほど特別なわけではないし、実際、本書の主人公はウェスタンに出て来そうなカウボーイ。彼がキューバに渡って巻き込まれた(首を突っ込んだ)トラブルの顛末を描いた小説。

舞台をキューバに置いている点を別にすれば、レナードにしてはストレートな部類の小説のような気がする。主人公は例によって、高圧的な権力者に対して斜めに構えた衝動的な人物だけど、基本的にはあくまでもいわゆるタフガイだ。背景が特異でかなり極限的である分、主人公に持たせられる遊びの余地が乏しかったということかも。ただし、真当なものの考え方やひねくれたユーモアを持ち合わせた、充分魅力的な主人公ではある。

ヒロインも、いつものようにしたたかで一筋縄では行かない人物だけども、比較的素直なキャラであるように思えたし、ストーリーも割とシンプルに感じた。総じて、(レナードにしては)直球勝負なロマンティック・サスペンス、という所かな。

ただ、話はキューバを強権支配していたスペインにアメリカが勝利するところで終わるが、それでめでたしめでたしではないことは、作中でも度々言及されている周知の事実。それが結末に言外の苦味を添えているようでもあり、単純にロマンティックなお話では終わっていない気がする。

脇役のクセものっぷりは、まさにレナード・タッチってやつだろう。やはり、フエンテスのおっさんがイカしてるが、個人的には、大物悪役風に現れたくせに、結局ひたすら情けないだけだったオスマも面白かったな(^_^;)。
(2007.12.2読了)

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