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感想「ロスト・エコー」

「ロスト・エコー」 ジョー・R・ランズデール ハヤカワミステリ文庫

子供の頃の事故をきっかけに、かつて起きた暴力的な事件の光景が見えてしまう特殊な能力を身に付けた青年が、その能力のために人生を半ば降りていたが、いくつかの出会いと、とある連続殺人に関わることで、人生に立ち向かう強さを身に付け、立ち直って行くという話。
ミステリ文庫だけど、そういう話なんで、純粋なミステリじゃなくて、多分にファンタジー的かな。ランズデールということで、「ボトムズ」や「ダークライン」のような、かなり陰惨な話を予想していたが、そうでもなかった。ある意味、結構かわいい話。他の作品でもそうだが、ランズデールの小説って、現実的で陰惨なエピソードがある一方で、案外ロマンティックでかわいかったり、理想主義的だったりする部分もあって、不思議な取り合わせで小説を書く作家だと思う。極端から極端というか。
もっとも、本書に関しては、面白く読めたけれども、前掲2冊にあったようなテーマ性は薄くて、娯楽に徹してる感じが強い。それから、主人公の少年時代を描いた最初の章なんか、非常に心を打たれて、こういうしみじみした文章を書くのが本当に上手い、と思ったんだけど、そこから後は結構飛ばしてる感じだった。結末へ向けて細かく伏線を張ってる割には、ここに関しては後始末なしかい、みたいな部分も結構あって、完成度としてはいまいちじゃないかと思う。
ジョーイが気の毒な感じだったな。彼の惨めさが、よく描かれているだけに、この扱われ方はちょっと。もっとも、これは実は、暗に意図したものなんだろうか。世の中の苦みを、こういう形で匂わせているんだろうか。

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