感想「Death Spins the Platter」
「Death Spins the Platter」 エラリー・クイーン SIGNET
邦題は「死はレコードを廻す」ってなとこがが妥当(^_^;)。エラリークイーンの未訳ペーパーバックオリジナル。なお、「Dead Man's Tale」との合本。
レコード会社からワイロを貰って、ショボいレコードを掛けてたことが発覚して、番組をクビになることが決まったテレビの人気DJ。その最後の放送を取材に行った新聞記者が、放送途中の休憩時間にDJがアイスピックを胸に突き刺して死んでいるのを発見し、成行きで調査に深入りしていくという話。
簡単な粗筋を書こうと思ったが、あまりにも浅くてルーティンなプロットなので、ちょっと書いただけでも、すぐにネタばれしちまいそうなので…。いかにもペーパーバックオリジナルという感じではある。まあ、いまさら、こんな本をわざわざ入手して、これから読もうと思ってる酔狂な人も、そうそうは居ないだろうから、ネタを割っても大した問題じゃないだろうが。
一応真相は最後まで伏せられているが、本格物ではなく、主人公の新聞記者の心の動きに焦点を合わせた、ハードボイルドっぽいサスペンス。クイーンらしい趣向は特にない。
プロット的にはほとんど見所がない小説だが、ハリウッドにうごめく様々な人々の屈折した人間像みたいなものは、割とちゃんと書けてると思う。あくまでもパターン化した枠内ではあるにしても。エンディングもそれなりに印象的だった。
とはいえ、今まで読んだクイーンのペーパーバックオリジナル(5冊目。「二百万ドル」「青」含む。「恐怖」は含めない)の中では、一番面白みに欠ける小説だったかも。
代作者はリチャード・デミングらしい。作中、妙に存在感のある隻眼の部長刑事が出て来るが(ストーリー上の必要性は今ひとつ希薄)、この辺にらしさは見えているのかな? 「クランシー・ロス無頼控」とか、少なくとも本の形では読んでなくて、この作家について、あんまり明確なイメージを持ってないのでよくわからない。
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