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感想「落語の国からのぞいてみれば」

「落語の国からのぞいてみれば」 堀井憲一郎 講談社現代新書

落語で語られている中に見える江戸時代の生活の観点から、現代のそれを語ってみるという趣向。江戸時代の視点から見ると、現代の生活は随分変、ということになるんだが、まあ、それはそうだろう。多分、江戸時代の庶民の生活は、今よりもずっと「動物」に近かっただろうなと、元々思っていたが、それに近いことが書かれていたという印象。
価値観や周辺環境の違いがその差を生んでいるわけだから、どっちが良くて、どっちが悪いという話ではないし、そうであるということは著者も前振りで書いてるんだけど、どうしても江戸時代に肩入れをせずにはいられないような気配で書かれてはいる。ただ、多分、著者のような存在は、江戸時代には居なかっただろう(居たとしても、ごく少数)。著者も自分で分かってるだろうけど。

それはそれとしても、江戸時代の庶民の生活を、綺麗事でないリアリズムで論じていて、興味深い本ではあった。

でも多分、それ以上に本書は、落語のガイダンスとしての機能の方が大きいような気がする。文中にひっきりなしにある落語からの引用。さらにそれに対して巻末に付された、詳細なリスナーズガイドが、なかなか凄い。
そういう所が、かなり面白かったんだけど、もう少し落語について知っていれば、より面白く読めたのかな、という気がする一方、知ってれば、読む必要はなかったのか?、という気もしたりして。
ガイドの文中にある落語家の面々の評も面白かったが、この辺は門外漢なので、どれだけ妥当な内容のかはわからない。

ところで、子供の頃に一度ラジオで聴いて(TBSの「ラジオ寄席」だったと思う)、強烈な印象を残したが、以後聴いたことがなく、あれはなんていう噺だったんだろうと、ずっと思ってた噺があった。本書を読んで正体が分かった。「坊主茶屋」。

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