感想「とむらいは俺がする」
「とむらいは俺がする」 ジェイムズ・ハドリー・チェイス 創元推理文庫
1954年の作品。
街を牛耳る興行師が主人公。弟が不審な状況で死に、真相を知ろうとした主人公の前に殺人狂のゆすり屋が現れるという話。このゆすり屋を、謎めいた犯人として、とっておくのかと思ったら、半ば付近であっさりバラした。そういうまどろっこしいことはしないらしい。あとは主人公とゆすり屋の、丁丁発止の渡り合い。
人がむやみやたらと死んで、命が安いなあという感じだけど、今時のサスペンスに較べたらかわいいもんかもね。ディーバーとか、安いもんなあ。
主人公に対して、じりじり罠の口が迫ってくあたり、緊迫感があるけれど、展開が速いんで、ドキドキする前に話が先に進んでしまう。割と気を持たせてる印象があった前半に較べて、あっさりし過ぎてるような気がしないでもないが、それだけ澱みのない小説だ、ということにしとくか。
まあ、ほぼ普通の(50年代頃の)サスペンスと思うが、ゆすり屋の特異な悪党ぶりが、アクの強さになって、小説の印象を強めている気がする。
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