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感想「赤き死の香り」

「赤き死の香り」 ジョナサン・ラティマー 論創社

ラティマーは既訳4冊を全部読んでいて(誰かに借りて読んだ「黒は死の装い」は、中身をよく覚えてないが)、ハードボイルドに分類される作家だけど、どっちかというと、ユーモアが身上の作家じゃないかという印象がある。「処刑6日前」や「シカゴの事件記者」なんか、粗筋だけ見ると、テンションの高いサスペンスを想像するが、実際に読んでみると、ユーモラスな語り口の方が印象に残ったような。プロットも結構しっかりしていたとは思うが。
そういう切り口からすると、本書は充分期待に応えてくれる出来だった。ビル・クレインの陽気なアル中ぶりは申し分なく楽しくて面白かったし、彼を筆頭にした登場人物たちの、連続殺人に関わっているとはとても思えない不真面目っぷりもいかしてる。軽ハードボイルドがすぐそこに見えてる軽妙さが楽しい。
ただし、プロットはかなりグズグズで、ラティマーの既訳の中では最悪の部類なんじゃないかと思う。こんな本で、「ハードボイルド+本格ミステリ」と言われてもね(帯の文句)。論創社は、どうしても本格ミステリをキーワードにしたいのかな。解説の三橋暁も、その線でまとめようとしているが、かなり無理がある感じ。こんな売り方をして、その気で買っちゃった人はかわいそうだな。

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