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感想「古代東北と王権」

「古代東北と王権」 講談社現代新書

中央政府が東北を侵略して行く過程を、「日本書紀」その他の日本の古い文献からたどっていくもの。最初の方は、それほど多くはない資料を、どう読み解いていくかという技術的・推測的な話が多いんで、読んでいてそんなに面白くはなかったが(なるほどそう考えるのかと思わされる場所も、結構あったが)、時代が下って情報量が増えてくると、何が起きていたのかが見えやすくなって来て、歴史的な興味を感じやすくなったようだ。
どちらかというと、淡々と歴史をたどるという感じの本で、著者が最初と最後で熱く語っている東北への思い入れは、本の内容そのものにはあんまり関係ないかな、という感じ。こういう風にして、東北は中央政府の支配下に組み込まれて行ったのか、ということを思うだけだ。いくら時代が下がっても、絶対的な情報量は全然少ないので、たとえば幕末の奥羽越列藩同盟みたいに、いろいろな切り口から状況を分析するという所までは行くのはとても無理。そういう意味では物足りないが、フィクションを交えずに語る以上は、これが限界なんだろうな。もし歴史がこうでなかったら、とか、東北が中央の支配を受けずにいたら、みたいなロマンを語る所までは、とても行けない。

元々、こういうものへの関心は、子供の頃に教科書で、中央政府が東北の方へ支配領域を次第に拡大していく図を見たことから始まってる。新潟生まれの新潟育ちだから、次第に呑込まれて行く方の側に居たわけで(だから、渟足柵という地名には、非常に馴染みがあったりする)、そういう所から、中央政府みたいなものへの反発心が生まれた。もっとも、新潟(や東北)で生まれ育った人間が、みんなそんなことを思うというわけでもないから、それ以前に下地があったと考えるべきなのかな。
いずれにしても、そういう背景があるもので、日本が単一民族の国だとか、「日本人」の国民性とか言われると、鼻白むわけで。

とか言いつつ、分かってる限りでは、自分は先祖代々新潟・東北の人間じゃないんだけども(^^;。

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